phaの短歌(電子版)
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phaの短歌 選・構成 佐藤文香 2001年頃に短歌を作り始めて、最近は熱心に作ってはないものの、たまにできたものを書き留めたりしていたのですが、その短歌を友人の佐藤文香に選んで構成してもらった本がこれです。全48首。「短歌について」というphaの短文も収録しています。 ==自選5首== 俺はまだ人生という芸術に慣れてないからうどんをこぼす もうだいぶあれな感じになっている動物たちを連れて実家へ やっていく気持ちはあるがやっていく気持ちだけではやっていけない 服を着て窓を開け放つ 眠る君は冷凍された手羽先に似て 失恋はありふれている電線が風に鳴るのもありふれている
佐藤文香よりひとこと
僭越ながらphaさんがつくったほぼすべての作品から、佐藤が48首選んで構成しました。「夜のこと」『どこでもいいからどこかへ行きたい』ファンの方にかなり刺さる短歌だと思います phaさんの短歌は、穂村弘・枡野浩一のどちらの影響下にもある(?)、口語のわかりやすい作品ですが、個人的に一番気分が近いのは永井祐じゃないかなと思います。世界にぽっかりと空いてしまった穴のまわりを、こまかな希望のアイテムを拾いながらうろつく感じ。で、たまにドライブがかかってエモい。
感想・コメントなど
Daisuke TOI /トオイダイスケ https://twitter.com/daisuketoi phaさんの短歌は句またがりや字余りのリズムやトーンが心地よく、ゆっくりと後から寄せてくる波のように気持ちの高ぶりを呼び起こされる感じがする。特に最初のページの連作は『夜のこと』と通ずる内容がそのリズムで書かれていて心地良い。 枡野浩一 https://twitter.com/toiimasunomo 「死にたい」と言ってる奴は死なないと思っていたら意外と死ぬ (pha) 私は字足らずを過大に評価する 歌壇の風潮が本当にいやなんだけど、 これは字足らずを なくそうと色々考えてみると、 なくさない状態のこれがいい。 これ以外ないと思える珍しい一首。
プロフィール
pha(ふぁ) 1978年大阪府生まれ。京都大学総合人間学部を24歳で卒業、25歳で就職、28歳で退職。以来ふらふらと暮らしている。11年続けていたシェアハウスを2019年に解散。この先どうやって暮らして行こうか模索中。著書に『しないことリスト』『ゆるくてもできる知の整理術』『どこでもいいからどこかへ行きたい』などがある。 https://twitter.com/pha 佐藤文香 Sato Ayaka 1985年兵庫県生まれ。句集『海藻標本』『君に目があり見開かれ』、編著『俳句を遊べ!』『天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』、掌編小説集『そんなことよりキスだった』ほか。音楽と飲食、散歩と生き物が好き。2020年4月から1年間、アメリカに住む予定。 https://twitter.com/kamonnohashi